2027年1月、介護WEBサービスへ移行 — 移行日が未定のうちに、事業所側で決めておくこと
厚生労働省は介護保険最新情報Vol.1529で、2027年1月に介護WEBサービスへ移行する予定と、2026年7月から12月を準備期間とする方針を示しました。具体的な移行日はまだ決まっていませんが、事業所側でやることは今の時点でもう決まっています。登録状況別の次の一手と、管理者・請求担当・IT担当の確認項目まで落とし込みました。
最終更新: 2026年8月7日
2026年8月7日時点の情報です。助成金の受付期間・限度額は4節にまとめています。
1. 移行日は未定でも、2026年内にやることは決まっている
厚生労働省は介護保険最新情報Vol.1529で、介護WEBサービスへの移行を2027年1月に予定していると示しました。具体的な移行日は今後の通知待ちですが、2026年7月から12月が準備期間とされている以上、日付が決まるのを待ってから動く必要はありません。
結論は3つです。ひとつ、介護WEBサービスに未登録の事業所は登録を済ませる(所要は数分とされています)。ふたつ、登録に使う電子請求受付システムのIDとパスワードを、担当者一人に依存しない体制にする。みっつ、助成金は2026年5月7日から2027年3月12日まで(予定)の受付で、サービス種別ごとに上限額が決まっているので、対象経費と上限額(4節)を確認したうえで申請の要否を判断する。この3つを、移行日が発表される前の今のうちに済ませておく、というのがこの記事の要点です。
2. 通知が決めていること・まだ決まっていないこと
介護保険最新情報Vol.1529の内容を、決定済みとまだ未定の事項に分けて整理します。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 決定済み | 介護WEBサービスへの移行は2027年1月に予定されている |
| 決定済み | 2026年7月から12月が準備期間とされている |
| 決定済み | 自治体の介護情報基盤の導入状況にかかわらず、事業所側の準備は必要 |
| 決定済み | 移行後はWebでの利用となり、利用料は無料 |
| 決定済み | 登録には電子請求受付システムの利用者IDとパスワード等を準備する。所要は数分とされている |
| 決定済み | 現行のケアプランデータ連携システムは、移行後一定期間で終了が予定されている |
| 決定済み | 助成金の受付期間は2026年5月7日から2027年3月12日まで(予定)。対象は2026年4月1日以降に実施された事業で、予算に限りがある |
| 決定済み | 説明会は2026年8月26日開催予定。後日アーカイブ公開が予定されている |
| 未定 | 具体的な移行日、加算の取扱い(いずれも追って案内されるとされている) |
ここで注意したいのは、「事業所側の準備が必要」という一文が、自治体側の介護情報基盤の話とは別に書かれている点です。自分の自治体で基盤の導入が進んでいなくても、事業所側の登録作業は待たなくてよい、ということになります。裏返すと、登録を済ませても、それ自体が自治体側の介護情報を見られるようになるという話ではありません。登録は移行の準備であり、自治体の基盤整備とは別の話として扱ってください。
助成金の対象経費・上限額・受付期間は4節にまとめました。ここでは移行そのものの決定事項・未定事項の整理にとどめます。
3. 自団体はどの状態か
通知は、事業所の状況を3つに分けて示しています。まず自団体がどれに当たるかを確認してください。
- (a) 介護WEBサービスに登録済み— 次にやることは、電子請求受付システムのIDとパスワードの管理体制の確認です。登録済みだからといって作業が終わったわけではなく、移行日が決まった際にすぐ対応できるよう、担当者の異動や退職があっても引き継げる状態にしておく必要があります。
- (b) 現行システムのみ利用— 次にやることは、介護WEBサービスへの登録です。所要は数分とされているので、準備期間内(2026年12月まで)に済ませておけば、移行日が発表されてから慌てる必要がなくなります。
- (c) 双方とも未導入— 通知は、この状態の事業所について現行システムの導入と、介護WEBサービスの利用登録の両方が必要だとしています。まず電子請求受付システムの利用者IDとパスワードの現状を確認したうえで、どちらから着手するかをベンダーと相談してください。接続サポート等の経費が助成対象に含まれるため、4節の対象経費と申請条件を確認してください。
どの状態でも、共通してやるべきことは、移行日が発表された時点ですぐ動ける状態にしておくことです。移行日が決まってから準備を始めると、現行システムの終了時期との間で余裕がなくなる可能性があります。
4. 助成金の対象と限度額
助成金の受付期間は2026年5月7日から2027年3月12日まで(予定)。対象は2026年4月1日以降に実施された事業で、予算に限りがあります。
介護事業所・介護サービス提供医療機関向けの助成対象は、カードリーダー購入費と、介護情報基盤との接続サポート等の経費です。介護情報基盤とケアプランデータ連携システムの接続サポートを一体で受ける場合も対象に含まれます。
| サービス種別 | 上限額 | カードリーダー上限台数 |
|---|---|---|
| 訪問・通所・短期滞在系 | 6万4,000円まで | 3台まで |
| 居住・入所系 | 5万5,000円まで | 2台まで |
| その他 | 4万2,000円まで | 1台まで |
複数のサービス種別を提供する同一事業所は、サービス種別に応じた上限額を合算できます。上表の金額はいずれも消費税分を含みます。
主治医意見書を作成する医療機関向けの支援もあります。対象は主治医意見書の電子的送信機能を追加する経費で、上限額と補助率は病床数で異なります。200床以上の病院は上限55万円・補助率2分の1、199床以下の病院または診療所は上限39万8,000円・補助率4分の3です。
対象事業所の要件や申請方法など細目は、出典の通知本文で確認してください(8節)。
5. システム移行プロジェクトとして扱う
ここから先は編集部の提案です。厚生労働省の通知に基づく事実ではなく、Cloudvocacy編集部が実務上の進め方として整理した内容です。
介護WEBサービスへの移行は、請求業務のシステムが変わる話です。担当者一人の作業で終わらせず、社内のシステム移行として3つの役割に分けて進めることを提案します。
- 管理者— 移行の責任者を決め、説明会(2026年8月26日開催予定、後日アーカイブ公開予定)の視聴担当を割り当てる。助成金を使うかどうかの判断は、上限額(4節)と受付期間(2027年3月12日まで予定)を踏まえ、他の予算計画と合わせて決める。加算の取扱いは追って案内される段階なので、現時点で有利・不利の見通しを立てない。
- 請求担当— 電子請求受付システムのIDとパスワードが今どこにあり、誰が把握しているかを確認する。現行システムでの請求業務のうち、介護WEBサービス移行後にやり方が変わりそうな作業を洗い出す。移行後一定期間で現行システムが終了する予定なので、その期間内に完了させるべき作業(データの確認・出力など)をリストにしておく。
- IT担当または委託先ベンダー— 自団体が使っている請求ソフト・システムが、介護WEBサービスへの移行にどう対応する予定かをベンダーに確認する。ベンダー側の対応スケジュールが、厚労省が示す2027年1月という予定と揃っているかを確認する。委託先がいない事業所は、この確認項目自体を管理者か請求担当が引き継ぐ。
6. つまずくのは制度ではなく運用
このセクションも厚生労働省の通知には基づかない、編集部独自の提案です。
介護WEBサービスの移行そのものは、通知を読めば手順は追えます。実際につまずきやすいのは、制度の中身ではなく事業所内の運用です。
電子請求受付システムのIDとパスワードの属人化を防ぐ— 特定の職員のパソコンや手元のメモにしかID・パスワードがない状態は、その職員が不在の間に移行日が来ると作業が止まります。これは「共有する」という話ではなく、誰が管理者として認証情報を把握しているかを明確にする話です。パスワードの管理方法自体に不安がある場合は、パスワード管理ガイドも参考にしてください。
担当者不在でも止まらない移行台帳をつくる— 「誰が」「いつ」「何を」「どこまで進んだか」を1枚にまとめておくと、担当者が変わっても引き継げます。介護WEBサービスの登録状況、電子請求受付システムのID管理者、ベンダーへの確認結果を、この段階で台帳化しておくと、移行日が発表されたときにやることが一覧できます。
ベンダー任せにしない確認項目を持つ— 委託先が「対応します」と言うだけでは、何がいつ変わるのかが事業所側に見えません。介護WEBサービスへの登録は事業所側の作業であり、ベンダー側の請求ソフト対応とは別の作業だという前提で、両方の進み具合を別々に確認してください。認証情報の扱いを含め、委託先とのやり取りに不安がある場合はセキュリティガイドも確認しておくと、確認すべき観点の抜け漏れを減らせます。
助成金の有無と導入判断を混同しない— 移行後の利用料は無料とされています。助成金にはサービス種別ごとの上限額があり(4節)、受付期間も2027年3月12日まで(予定)と決まっていますが、予算に限りがあるとされています。助成金が出るからシステムを入れる、という順序で判断せず、申請するなら早めに動いたほうが安全です。
7. 管理者向け確認リスト
移行日がまだ発表されていない今の時点で、チェックできる項目です。
- 自団体が(a)登録済み・(b)現行システムのみ・(c)双方未導入のどれに当たるか確認した
- 介護WEBサービスに未登録なら、電子請求受付システムの利用者IDとパスワードを準備して登録した(所要は数分とされている)
- 電子請求受付システムのIDとパスワードを、担当者一人に依存しない体制で管理している
- 説明会(2026年8月26日開催予定)の視聴担当を決めた、またはアーカイブ公開後の視聴予定を決めた
- 請求ソフト・システムのベンダーに、介護WEBサービス移行への対応予定を確認した
- 現行システムが終了するまでの期間内に完了させるべき作業をリスト化した
- 助成金の受付期間(2026年5月7日〜2027年3月12日予定)と、自事業所のサービス種別に応じた上限額(4節)を確認した
- 加算の取扱いについて追って案内が出た際に、確認する担当者を決めた
8. 出典リンク
本記事は2026年8月7日時点の情報にもとづきます。助成金の対象要件の細目や申請手続きは、必ず出典の通知本文で確認してください。本記事は制度解釈の代行ではありません。最終的な取扱いは通知本文と、所管自治体および利用中のベンダーへの確認によります。掲載内容の誤りにお気づきの際は、お問い合わせからご指摘いただけると助かります。
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