その助成金、探せていますか
日本のNPO・社会福祉法人が使える助成金検索ポータルを3つ紹介します。クラウドサービスの無料・割引と同じく、助成金も「存在は知っていても探し方を知らない」ために活用されないケースが多くあります。
最終更新: 2026年7月21日
2026年7月時点の情報です。各ポータルの公式サイトを一次情報として確認しています。
1. なぜ「探せていない」団体が多いのか
助成金には、クラウドサービスの非営利割引と似た構造があります。制度自体は存在していても、それを一覧できる場所を知らなければ、団体側からは「存在しないもの」と同じになってしまうという点です。
助成金情報は、実施団体ごとに公式サイトが分かれており、募集時期も年度・団体によってばらばらです。担当者が個別に検索エンジンで探し続けるのは非効率で、結果として「たまたま知っていた1〜2件にだけ応募する」という状態になりがちです。以下では、助成金を探すときに手がかりになる代表的な情報源を3つ紹介します。横断検索データベース(CANPAN)・公募制度(JANPIA)・単独基金(LINEヤフー基金)と性質はそれぞれ異なるため、まず違いを押さえておくと使い分けやすくなります。
2. CANPAN(日本財団)の助成制度データベース
CANPAN(日本財団が運営)は、助成制度データベース(fields.canpan.info/grant/)を無料で提供しています。助成制度名・実施団体・対象分野・対象事業・募集ステータス・募集期間・助成金額といった項目で検索でき、2026年7月時点で約99件の掲載結果があります(一覧には助成制度以外の情報提供の案件も一部含まれるため、目安の件数としてご覧ください)。
特徴は、日本財団自身の助成金だけでなく、他の財団・企業が実施する助成制度も横断的に集約している点です。「今まさに募集中の助成金」を絞り込みたいときの入り口として使いやすいポータルです。
3. JANPIA・休眠預金活用制度
JANPIA(日本民間公益活動連携機構、内閣府所管)は、休眠預金を原資とする助成事業の指定活用団体です。この制度は「資金分配団体」を通じて実行団体(現場のNPO等)に資金が届く仕組みです。現場のNPOが直接応募する公募ではなく、まず資金分配団体を経由する点に注意してください。
2026年度は、資金分配団体向けに通常枠第1回(2026年4月3日開始)と緊急枠第1次(2026年4月3日〜6月24日17時)の公募が実施されました。また2026年4月7日には、申請を検討する団体向けに「申請サポートプログラム」が新設されたと発表されています。制度の全体像は姉妹サイトの「休眠預金活用プラットフォーム(休プラ)」(kyuplat.com)でも公募・申請情報が集約されています。
休眠預金制度は資金分配団体の選定を経る多層構造のため、直接の助成先団体を探している場合は、JANPIA公式サイトで最新の公募状況を確認するのが確実です。個別の募集要項や次回公募の有無は年度によって変わるため、詳しくは公式サイトでご確認ください。
4. LINEヤフー基金(旧Yahoo!基金)
LINEヤフー基金(kikin.yahoo.co.jp)は、2026年6月に設立20周年を機に「Yahoo!基金」から名称変更した基金です。公式サイト(2026年7月確認)によると、20周年特設ページで累計支援額76.9億円・支援数723団体(延べ、2026年3月31日時点)と紹介されています。
助成事業は「自然災害・感染症支援」と「デジタル社会の健全で安全な発展への貢献」という2つのテーマで運営されています。企業系の基金の中でも実績の蓄積が長く、テーマが自団体の活動と合致する場合は確認する価値があるポータルです。個別の募集時期や応募要件は年度により変わるため、詳しくは公式サイトでご確認ください。
5. 助成金申請書に生成AIを使う際の注意点
助成金の申請書作成に生成AIを使う団体も増えていますが、注意すべき点が2つあります。
1つ目は個人情報の扱いです。個人情報保護委員会は「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」(2023年6月2日)で、個人情報を含むプロンプトの入力は利用目的の範囲内かを確認する必要があり、本人同意のない目的外利用は個人情報保護法違反となりうると注意喚起しています。助成金申請書には、団体が支援する受益者の相談内容など要配慮個人情報が関わることがあるため、この注意喚起は特に関係が深いといえます。申請書の下書きに生成AIを使う場合、受益者の個人情報はプロンプトに入力しない、入力する場合は匿名化するといった対応が必要です。
2つ目は申請書の中身そのものです。生成AIで作成した申請書は「団体の独自性・実績が反映されない」「審査担当者に見抜かれる」という指摘があります。生成AIはあくまで構成や言い回しの下書き補助に留め、団体が実際に積み上げてきた実績や現場の実情は、担当者自身が加筆すべきという実務論があります。
福祉現場でのAI利用全般の注意点は、当サイトの 福祉現場のシャドーAI でも解説しています。助成金申請という文脈以外での注意点はそちらをご覧ください。
6. 出典リンク
- CANPAN公式: 助成制度データベース
- JANPIA公式: 休眠預金等活用制度 公募情報
- 休眠預金活用プラットフォーム(休プラ)
- LINEヤフー基金公式サイト
- 個人情報保護委員会: 生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について
各ポータルの募集要項・公募条件・審査基準は年度により変わります。応募の際は必ず各公式サイトの最新情報をご確認ください。掲載内容の誤りにお気づきの際は、お問い合わせからご指摘いただけると助かります。