TechSoup Japanの運営移管、そのあとに
2025年11月、TechSoup Japanの運営は16年間運営してきた日本NPOセンターから米国TechSoup Globalへ移管されました。同時に日本NPOセンターは新サービス「デジタルチャネル for Nonprofits」を立ち上げています。どちらも登録は無料で排他でもないので、選ぶ必要はありません。使う場面が違うだけです。
最終更新: 2026年8月1日
2026年7月時点の情報です。日本NPOセンター公式告知(2025年11月14日付)とデジタルチャネル for Nonprofits公式サイト(2026年7月20日確認)にもとづきます。
1. 何が起きたか(2025年11月の移管)
日本NPOセンターの公式告知(2025年11月14日付)によると、同センターは2009年6月からテックスープ・ジャパンの運営を担ってきましたが、2025年11月15日をもって運営から離れ、以後は米国のTechSoup Globalが直接運営する体制に変わりました。
告知では、16年間で6,522の非営利法人が利用し、14万ライセンス強(市場価格約90億円相当)を提供してきたという実績も示されています(出典: 日本NPOセンター公式告知、2025年11月14日付)。移管から半年以上が経ったいまも、現場には「結局TechSoupはどうなったのか」という疑問が残っているようです。この記事では、その疑問を一次情報にもとづいて整理します。
2. TechSoup Japan自体はいまも使える
まず押さえておきたいのは、TechSoup Japan自体は運営元が変わっただけで、非営利団体向けの寄贈・割引製品の申請窓口としては従来どおり利用できるという点です。運営がTechSoup Globalの直営になったことで、利用団体側の手続きが変わるわけではありません。
当サイトの TechSoup登録ガイド は、この運営移管後の2026年7月時点の実体験にもとづいており、運営メンバーが実際に登録した際は、申請の翌営業日に資格認証が完了しました。寄贈製品の手数料(小売価格の10%以下)の仕組みも同ガイドで整理しています。Slackの非営利プログラム申請などで必要になる検証トークンの発行も、引き続きTechSoup Japanが担っています(詳しくは Slack申請ガイド 参照)。この運営移管そのものは、当サイトの プログラム変更ウォッチ にもエントリとして記録しています。
3. 新サービス「デジタルチャネル for Nonprofits」とは
一方、16年間TechSoup Japanを運営してきた日本NPOセンターは、運営移管とあわせて新サービス「デジタルチャネル for Nonprofits」を立ち上げました。公式サイト(digi-channel-npo.net、2026年7月20日確認)によると、運営主体は特定非営利活動法人日本NPOセンターで、非営利法人のIT基盤強化・活用を後押しするプログラムと位置づけられています。
サービスは3つの「チャンネル」で構成されています。
- CH1「アイテラス」: 製品・サービスの仲介、技術サポート、機器レンタル、セミナーなど
- CH2「デジタル基盤強化」: 専門家による伴走支援、助成金、AI学習コミュニティなど
- CH3「NPTechイニシアティブ」: 初心者向けセミナー、フォーラム、デジタル1Day留学(登録不要で参加可)
具体的な動きも出ています。2026年4月3日には、日本NPOセンターとサイボウズの双方から、アイテラス上でサイボウズ「チーム応援ライセンス」(1サービス年額9,900円・税別)の仲介と、非営利法人向けのkintone導入支援(有償の技術サポート)を開始したことが発表されました。当サイトのサイボウズの掲載情報で紹介しているライセンスの、新しい入口が増えた形です。
対象はNPO法人・社会福祉法人・公益法人など10種類の非営利法人で、登録料・年会費は無料、個別サービスを利用する際に費用が発生する仕組みです。公式サイトでは、2025年11月10日時点でTechSoup Japanに登録していた団体の情報はデジタルチャネルへ引き継がれたと案内されています(引き継ぎの運用実態までは当サイトで検証できていません)。2025年11月の開始以降、セミナーやフォーラムが随時開催されているようです。個別サービスの品質や費用の詳細は当サイトで検証していないため、利用を検討する際は公式サイトでご確認ください。
4. 使い分けの整理(どちらに何を期待するか)
TechSoup Japanとデジタルチャネル for Nonprofitsは、優劣を比べる関係ではなく、担っている役割が異なる別サービスです。それぞれ何を期待して使うものかを整理すると、次のようになります。
- TechSoup Japan: 海外ベンダーのソフトウェア寄贈・割引製品の仲介と、Slackなど外部サービス申請で必要な検証トークンの発行。グローバルなカタログにアクセスしたい団体向け。
- デジタルチャネル for Nonprofits: 専門家による伴走支援、助成金、機器レンタル、学習コミュニティ、初心者向けセミナーなど、国内独自のIT活用支援。導入後の運用や職員のITスキル向上を相談したい団体向け。
両者は排他的なものではなく、TechSoup Japanで製品を調達しつつ、その活用や職員教育をデジタルチャネルで補うといった併用も考えられます。
なお「どちらを使うか」は、実は選ばなくてよい問いです。どちらも団体の登録・アカウント維持は無料で(費用が発生するのは個別のサービスを実際に使うときです)、片方に登録したせいでもう片方が使えなくなることもありません。迷う時間のほうが高くつきます。
使い分けの目安はこう考えてください。モノ(ソフトウェア・機器)が必要になったらTechSoup Japan、人と運用で詰まったらデジタルチャネルです。「kintoneを入れたが誰も入力しない」「職員のITスキルを上げたい」という種類の悩みは、寄贈カタログでは解決しません。後者は伴走支援や学習コミュニティの担当領域です。
5. 出典リンク
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