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    非営利団体の「タスク管理」ガイド

    口頭で頼んで消える仕事、「あの件どうなった?」の確認、毎年ゼロからの行事準備。タスク管理は、10名まで無料のmonday.com、25名まで無料のAtlassianなど非営利枠のある道具と、「1タスクに担当1人・期限1つ」という小さなルールで仕組みにできます。

    最終更新: 2026年7月18日

    現場で起きていること

    頼んだ仕事が、どこかで消える

    口頭で頼む、メールで頼む、すれ違いざまに頼む——頼んだ側は覚えていて、頼まれた側の付箋はいつの間にか剥がれている。「言った・聞いていない」のすり合わせに、双方の時間が消えていきます。

    「あの件どうなった?」の確認が仕事になっている

    進み具合がどこにも見えないため、確認の声かけや進捗確認だけの会議が増えます。聞かれる側も、そのたびに作業の手を止めて答えることになります。

    行事・イベントの準備が毎回ゼロから

    夏祭りも研修も監査対応も、去年も一昨年もやったのに、段取りは担当者の頭の中だけ。担当が代わると「去年どうしたっけ?」から始まり、抜け漏れは直前に見つかります。

    締切の管理が個人の手帳頼み

    兼務だらけの現場では、一人がいくつもの締切を抱えます。管理の道具が個人の手帳やカレンダーだけだと、その人が休んだ日・抜けた後に、誰も締切に気づけません。

    道具の選択肢

    共通するのは「誰が・何を・いつまでに」を1か所に書き出して、チームで見えるようにすることです。追加費用ゼロの方法から順に紹介します。

    まずは手元のスイートで(Planner / ToDoリストなど)

    Microsoft 365にはPlanner・To Do、Google WorkspaceにはToDoリストといったタスク管理機能があります(使える範囲はプランにより異なるため、手元の環境でご確認ください)。専用の機能がなくても、スプレッドシートで「担当・期限・状態」の3列の表を共有するだけで、口頭と付箋の管理からは大きく前進します。

    向いているケース: すべての団体。まず追加費用ゼロで「書き出して共有する」習慣づくりから。

    小規模ならボードで見える化(monday.com: 10名まで無料)

    タスクをボードに並べて進み具合を色で見渡せる業務管理ツールです。通常月$19/席相当のProプラン相当が、非営利団体は10名まで無料、11席目以降も70%OFFになります(1年契約が必要で、月間プランは対象外。追加は5席単位)。団体の検証はGoodstackが行い、申請から2〜3日で回答が届くとされています。

    向いているケース: 事務局が10名前後までの団体。専用ツールを無料で本格的に使えます。

    毎年の資格再確認が必要で、事例・推薦文の作成に協力するための情報提供を求められます。医療機関・教育機関・政府系団体は対象外です。

    記録やマニュアルと一体で(Atlassian: 25名まで無料)

    タスク管理のJiraと、議事録・マニュアル置き場のConfluenceをセットで使える「Social Impact License」(開発元Atlassianの非営利向け無償ライセンス)があり、非営利団体は25ユーザーまで無料です(StandardまたはPremium、AI機能込み)。「作業の管理」と「手順の記録」を同じ場所に置きたい団体に向いています。26ユーザー以上や対象外の製品は割引価格になります。

    向いているケース: 25名までの無料枠を活かしたい団体、引き継ぎ資料も一緒に整備したい団体。

    旧称「Community License」時代の古い解説記事とは制度の構成が変わっています。公式ページで最新条件を確認してください。

    シンプルなタスク一覧なら(Asana: 50%OFF)

    タスク・担当・期限の一覧管理に定評のあるツールで、通常月$10.99/席のStarterプランが非営利団体は半額になります。申請は公式ページの短いフォームから、検証はGoodstack経由です。以前あった予算規模による制限は撤廃され、割引は利用を続ける限り適用されるとされています。

    向いているケース: 無料枠の人数を超えるチームで、シンプルなタスク管理に絞りたい団体。

    プラン名の改称(Premium→Starter、Business→Advanced)があったため、古い記事とはプラン名が食い違うことがあります。病院・病院関連団体は対象外です。

    コラム: 「タダより高いものはない」は本当か

    monday.comの無料枠をリスト価格に換算してみると、月$19/席のProプラン相当が10席分——年$2,280、日本向けの円建て表示(月¥3,200/席)なら年38万円分のソフトウェアです。「なぜそこまでのものを無料で?」と不思議に思ったら、申請条件の同意事項を読むとヒントがあります。

    monday.comは申請の条件のなかで、他の非営利団体の役に立つ事例・推薦文を作るための情報提供を求めています。つまり無料の対価は、お金ではなく「非営利の現場で実際に使われている」という実績と物語。ソフトウェアは追加コストが比較的小さいこともあり、企業にとってこれは数十万円の出費というよりも、広報協力を期待する側面もあるとみられます。対価がはっきりしている無料は、裏を疑いながら使う無料よりずっと安心して付き合えます。

    とはいえ、プログラムの内容が企業の都合で変わることはあります。Microsoftが2025年に非営利向け無償グラントの一部を廃止したように、「ずっと同じ条件」は保証されていません。無料をあてにしすぎず、条件の変化に気づける状態にしておくことが、無料と長く付き合うコツです。当サイトでも主要プログラムの変更をプログラム変更ウォッチとして時系列で記録しています。

    申請前のひと工夫

    事例づくりへの情報提供に応じる前に、団体名・活動写真・利用者のエピソードをどこまで外部に出してよいか、内部の方針をひとこと決めておくとスムーズです。あとから求められて慌てないよう、規約は先に確認しておくのが安心です。

    導入前に知っておきたい注意点

    道具より先に「タスクの書き方」を決める

    どのツールを選んでも、効くルールは同じです——1つのタスクに、担当者1人と期限1つを必ず付ける。「誰かやっておいて」をやめることが、消える仕事を減らすいちばんの近道です。ツール選びに時間をかける前に、この書き方をチームで合意するのが先です。

    チャットとの役割分担をはっきりさせる

    チャットに「お願いします」と流したものは、会話が進むと埋もれます。連絡や相談はチャット、引き受けた作業はタスクの一覧へ——この分担を決めておかないと、せっかくのツールが「もう1つの連絡先」になるだけで終わります。

    無料枠の条件と人数の数え方を確認する

    monday.comの無料は10名まで・1年契約(月間プランは対象外)、Atlassianの無料は25ユーザーまでで、超えた分は割引価格での支払いになります。「閲覧するだけの人も1席か」はツールによって扱いが違うため、人数を数えてから申請すると計画がぶれません。

    毎年の更新・対象外の条件がある

    monday.comは毎年の資格再確認が条件で、事例・推薦文の作成に協力するための情報提供を求められます。また、対象外の条件はツールごとに異なります(monday.comは医療機関・教育機関・政府系など、Asanaは病院・病院関連団体、Atlassianは政府系・教育機関など)。自団体が対象かどうかは、申請前に各社の条件ページで確認してください。

    はじめの一歩

    01

    繰り返す業務を1つ選び、タスクを書き出す

    行事の準備、助成金の申請、監査対応——毎年繰り返す業務を1つ選び、やることを「担当・期限」付きで書き出します。この一覧はそのまま、来年の段取り表(=引き継ぎ資料)になります。

    最初はスプレッドシートの3列(やること・担当・期限)で十分です。書き出す習慣のほうがツールより先です。
    02

    無料の範囲でツールを試す

    手元のMicrosoft 365 / Google Workspaceの機能で足りるかをまず確認し、専用ツールを使うならmonday.com(10名まで無料)かAtlassian(25名まで無料)を無料枠の範囲で試します。どちらもGoodstack認証済みなら申請の手間が減ります(サービスごとの審査は別途あります)。

    団体認証がまだの場合は、先にGoodstack登録ガイドで認証を済ませておくと、他のサービスの申請にも使い回せます。
    03

    回り始めたら、チーム全体に広げる

    選んだ業務でタスク管理が回り始めたら、他の業務・他のチームに広げます。無料枠の人数を超える段階で、monday.comの割引(11席目以降70%OFF)やAsanaの50%OFFを含めて費用を比較検討します。

    1年契約・毎年更新などの条件は申請時に必ず確認を。「道具が先、体制があと」にならない順番が大切です。

    このガイドは2026年7月時点のmonday.com・Atlassian・Asanaの公式情報にもとづいています。これらのツールは運営メンバーによる実申請がまだのため、申請手続きの体験談は含まれていません(実際に申請した際に追記します)。各プログラムの内容・対象条件は変更されることがあるため、申請前に公式ページで最新の条件をご確認ください。

    関連リンク

    各サービスの割引内容と申請先は個別ページにまとめています。検証に使うGoodstack認証がまだの方は登録ガイドから。