Google Ad Grants 導入ガイド
Google Ad Grants(非営利団体向け広告助成)では、月US$10,000相当のGoogle検索広告を無料で利用できます。内容と日本の対象団体、申請手順、見落としがちな継続条件までを解説します。
最終更新: 2026年7月7日
Google Ad Grantsとは
Google Ad Grants(アドグランツ)は、Googleが非営利団体に提供する広告助成プログラムです。毎月US$10,000相当のGoogle検索広告を無料で出せます。年間に換算すると約$120,000相当、日本円でおよそ1,800万円規模の広告枠です。
「うちのような小さな団体に広告なんて」と感じるかもしれません。しかし、寄付やボランティア、サービスの利用を考えている人の多くは、まずGoogleで検索します。そのときに団体のサイトが検索結果に表示されるかどうかは、活動を知ってもらえるかを大きく左右します。
利用にはGoogle for Nonprofits(Google非営利団体向けプログラム)への登録が必要です。すでにGoogle Workspace for Nonprofitsを使っている団体なら、前提条件は満たしているので、あとはAd Grantsを有効化するだけです。
できること・できないこと
できること
Google検索結果へのテキスト広告
「地域名 + 子ども食堂」「フードバンク 寄付」のように、団体の活動を探している人の検索結果に広告を表示できます。使える広告枠は毎月US$10,000相当(年間で約$120,000相当)です。
寄付・ボランティア・利用者募集への活用
寄付の受付ページ、ボランティア募集、イベント告知、サービスの利用案内など、団体サイト内のページであれば幅広く誘導先にできます。
費用は一切かからない
広告費はGoogleが負担する現物支給(広告枠の助成)です。クレジットカードの登録も請求も発生しません。
できないこと・注意点
検索広告のみ(ディスプレイ・YouTubeは対象外)
助成の対象はGoogle検索結果のテキスト広告だけです。バナー広告(ディスプレイネットワーク)やYouTube広告には使えません。
通常の広告より表示順位で不利になることがある
Ad Grantsの広告は、通常の有料広告の下に表示される仕組みです。人気キーワードでは表示機会が限られることがあります。
「取っておしまい」にできない(継続条件あり)
月々のクリック率(CTR)5%以上など、アカウントを維持するための運用ルールがあります。詳しくは後述の「継続条件」をご覧ください。
申請の流れ
対象となる団体
- 特定非営利活動法人(NPO法人)
- 公益社団法人・公益財団法人
- 社会福祉法人
- 一般社団法人
Google公式ヘルプの日本向け適格性リスト(2026年7月時点)にもとづきます。
対象外
- 政府事業体・政府機関
- 病院・医療団体
- 学校・学術機関・大学
医療団体・教育機関でも、関連する慈善部門・財団は対象になる場合があります。最終的な適格性はGoodstackの審査によって判断されます。
Google for Nonprofits に登録する
Ad Grantsの前提として、Google for Nonprofits(Google非営利団体向けプログラム)のアカウントが必要です。団体の適格性確認はGoodstackが担当しており、審査は通常2〜14営業日と案内されています。
Google for Nonprofits の登録手順は、実際の申請画面つきでGoogle Workspaceガイドで解説しています。Goodstack認証がまだの場合はGoodstack登録ガイドからどうぞ。
Ad Grants の有効化をリクエストする
Google for Nonprofitsにログインし、Ad Grantsの「開始」から団体サイトのURLを登録して有効化をリクエストします。サイトはHTTPS対応が必須です。審査は通常3営業日と案内されています。
注意: 有効化を待つ間に、自分で通常のGoogle広告アカウントを作成しないでください。Ad Grants専用のアカウントは有効化の過程で提供されます。
キャンペーンを作成して運用を始める
承認されたら、コンバージョン計測を設定したうえで最初のキャンペーンを作成します。広告グループ2つ以上・サイトリンク2つ以上などの構造ルールに沿って組み立てます。
最初は「団体名・活動名での検索」「地域名+活動分野」など、確実に関心層へ届くキーワードから始めるとCTR 5%の維持がしやすくなります。
継続条件(ここが重要)
Ad Grantsは「一度もらったら終わり」の助成ではありません。以下の条件を満たし続ける必要があり、違反すると予告なくアカウントが一時停止されることがあります。
クリック率(CTR)5%以上を毎月維持
アカウント全体のクリック率が2ヶ月連続で5%を下回ると、アカウント一時停止の対象になります。関心のある人にだけ表示されるよう、キーワードを絞ることが大切です。
コンバージョン計測の設定
「寄付ボタンのクリック」「問い合わせ送信」など、サイト上の成果(コンバージョン)を計測する設定が必要です。毎月1件以上の意味のあるコンバージョンを記録することが求められます。
キーワードの品質ルール
1単語だけのキーワードや、「無料 動画」のような広すぎるキーワードは使えません。品質スコアが低い(1〜2)キーワードは停止する必要があります。
アカウントの構造ルール
各キャンペーンに広告グループを2つ以上、サイトリンク(広告下の補足リンク)を2つ以上設定します。入札はコンバージョンにもとづく自動入札を使います。
ウェブサイトの品質
誘導先の団体サイトには、団体のミッションの明記・独自のコンテンツ・HTTPS対応・使いやすいナビゲーションなどが求められます。商業的な広告やアフィリエイトが目立つサイトは対象外です。
年次プログラム調査への回答
年に1回、Googleから届くプログラム調査(アンケート)に回答する必要があります。
条件を満たせず一時停止になった場合も、問題を解消すれば再開を申請できます。
コラム: 無料だけれど「タダ」ではない
Ad Grantsの広告費は無料ですが、運用の手間という実質的なコストがかかります。CTR 5%の維持やキーワードの手入れは、月に数時間でも定期的にアカウントを見る人がいて初めて成り立ちます。
向いているのは、「寄付・ボランティア・利用者の募集ページがサイトにすでにある」「広報担当(兼任でも)がいて、月に1〜2回は管理画面を見られる」という団体です。逆に、サイトがほとんど更新されていない団体は、先にサイトの中身を整えるほうが効果的です。Ad Grantsの審査でもウェブサイトの品質が見られます。
まだ団体サイトの検索広告に確信が持てない場合も、Google for Nonprofitsの登録だけ先に済ませておく価値はあります。無料のGoogle Workspaceなど他の特典も使えるようになり、Ad Grantsは必要になったタイミングで有効化できます。
このガイドは2026年7月時点のGoogle公式サイト・公式ヘルプにもとづいています。運営チームでの実申請はこれからのため、実際の所要日数などは公式の案内値を記載しています。プログラムの内容は変更されることがあるため、申請前に公式ページで最新の条件をご確認ください。
準備ができたら
まずはGoogle for Nonprofitsの登録から。すでに登録済みの団体は、管理画面からAd Grantsの有効化をリクエストしましょう。
Google Ad Grants(公式)を開くGoogle for Nonprofitsの登録手順はGoogle Workspaceガイドで画面つきで解説しています。