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    非営利団体のAI導入ガイド

    ChatGPTもClaudeも、非営利団体なら$8/席で使えます。MicrosoftやGoogleのAIは、いま使っているプランに含まれているかもしれません。現場での使いどころ、プランの選び方、そして個人情報を守る運用ルールまでを解説します。

    最終更新: 2026年7月7日

    現場でできること

    生成AIは「なんでもできる魔法」ではありませんが、人手の足りない非営利団体の事務仕事とは相性のよい道具です。よく効く使い方は、おおむねこの4つに集約されます。

    お便り・案内文・申請書の下書き

    利用者や家族向けのお便り、行事の案内、助成金申請書の構成案。ゼロから書かせるのではなく「たたき台を作ってもらい、人が仕上げる」使い方が、いちばん実務に効きます。

    長い文書の要約・読み解き

    制度改正の通知、行政からの事務連絡、長い会議録。「要点を3つに」「前回からの変更点だけ」といった読み方を任せられます。原文を手元に置いて、大事な箇所は人が確認するのが前提です。

    言い換え・翻訳

    専門用語をやさしい日本語に直す、外国籍の利用者・家族向けに多言語の案内文を作る、堅すぎる文章を柔らかくする——「伝わる表現への言い換え」は生成AIの得意分野です。

    表計算やITの相談相手

    「Excelでこういう集計をしたい」「この関数は何をしている?」「このエラーの意味は?」といった質問に答えてくれます。専任の情報システム担当がいない団体にとって、いつでも聞ける相談相手になります。

    非営利プランの比較

    主要な生成AIには、いずれも非営利団体向けの割引や無償機能があります。専用AIを安く契約する(①②)か、手元のスイートに含まれるAIを使う(③④)かが選択の軸です。

    ChatGPT Business(OpenAI)

    通常$20/席前後のBusinessプランが、非営利団体は年払い$8/席/月(月払い$10)になります(2席から)。申請はGoodstack経由の短いフォームで、承認後は請求時に割引が自動適用されます。個人向けのPlusプランとAPI利用は対象外です。

    向いているケース: チーム全員で同じAIを使いたい団体。利用者がいちばん多く、日本語の情報も豊富です。

    Claude Team(Anthropic)

    通常$30/席/月のTeamプランが、非営利団体は$8/席/月になります(2席から)。認証はGoodstack(Percent)経由。期限付きのトライアルではなく、非営利資格を維持している限り継続できると公式に案内されています。個人向けのProプランとAPI利用は対象外です。

    向いているケース: 長い資料の読み込みや文章の丁寧な推敲を重視する団体。

    Microsoft 365のAI(Copilot)

    無償のBusiness Basic(非営利300席まで無料)にも、追加費用なしで使えるAIチャット(Copilot Chat)が含まれています。WordやExcelの中で動くフル機能のMicrosoft 365 Copilotは非営利15%割引の案内がありますが、米ドル建ての案内で、日本での価格・購入可否は確認できていません。

    向いているケース: すでにMicrosoft 365非営利プランを使っている団体。まず無料のAIチャットから。

    Google WorkspaceのAI(Gemini)

    公式の比較表では、無償のGoogle Workspace for NonprofitsでもGeminiのAI機能が使えるとされています。割引版のBusiness Standard(75%以上OFF)では、Gmailやドキュメントなどアプリ内のGemini機能も含まれます。

    向いているケース: Google Workspaceを使っている団体。手元のプランでどこまで使えるか確認から。

    目安として

    追加費用ゼロで始めるなら、手元のMicrosoft 365 / Google Workspaceに含まれるAI機能から。チームで本格的に使う専用AIは、ChatGPT BusinessかClaude Teamの非営利価格$8/席(通常の1/3前後)が有力です。どちらも2席からで、認証は共通のGoodstackを使います。

    安全に使うために

    AIそのものよりも、「何を入力するか」がリスクの中心です。福祉や支援の現場は、病歴・障害・生活状況といった特に配慮が必要な個人情報を日常的に扱っているからです。押さえるべきポイントは4つあります。

    ビジネス向けプランは「学習に使わない」が標準

    ここで紹介した4サービスのビジネス・団体向けプランは、いずれも「顧客の入力内容を既定ではAIモデルの学習に使わない」ことを公式資料に明記しています(OpenAI・Anthropic・Microsoft・Googleの公式ページ、2026年7月時点)。団体の業務で使うなら、この前提があるビジネス向けプランが基本です。

    個人アカウントでの「野良AI利用」が一番のリスク

    一方、個人向けの無料プランでは、設定によっては入力内容がモデルの学習に使われる場合があります。職員が私物の無料アカウントに業務情報を貼り付ける——これがもっとも起きやすい事故の一つです。禁止を呼びかけるだけでなく、団体としてビジネス向けアカウントを配るほうが安全です。

    利用者の個人情報は入力しない

    学習に使われないとしても、外部のサービスに情報を渡すことに変わりはありません。氏名や住所はもちろん、病歴・障害・生活状況といった要配慮個人情報は入力しない、必要な場合は本人を特定できない形に置き換えてから使う——これを団体のルールにしましょう。

    AIの答えは人が確認してから使う

    生成AIは、もっともらしい間違い(ハルシネーション)をすることがあります。制度・法令・金額など事実確認が必要な内容や、対外的に出す文書は、必ず人が最終確認する前提で使います。「下書きはAI、責任は人」が原則です。

    はじめの一歩

    01

    個人情報を含まない業務で試す

    お便りの下書きや公開資料の要約など、個人情報を含まない業務を1つ選び、まず管理者や有志の少人数で試します。ここで「どの業務に効くか」の感触をつかんでから広げるのが安全です。

    すでにMicrosoft 365やGoogle Workspaceの非営利プランがあれば、追加費用なしで使えるAI機能から試せます。

    02

    プランを選んで申請する

    チームで本格的に使うと決めたら、ChatGPT BusinessまたはClaude Teamの非営利価格($8/席)を申請します。どちらも団体の認証はGoodstack経由なので、Goodstackの登録が済んでいればすぐに進めます。

    Goodstackの登録手順はGoodstack登録ガイドにまとめています。一度認証を受ければ他のサービスの申請にも使い回せます。

    03

    利用ルールを1枚にまとめる

    「入力してよい情報・してはいけない情報(利用者の個人情報は入力しない)」「AIの答えは人が確認してから使う」「業務では団体のアカウントを使う」——この3点だけでも文書にして共有すれば、安全度は大きく変わります。

    ルールは最初から完璧を目指さず、使いながら足していくのが現実的です。

    このガイドは2026年7月時点のOpenAI・Anthropic・Microsoft・Googleの公式情報にもとづいています。各プランの価格・内容は変更されることがあるため、申請前に公式ページで最新の条件をご確認ください。

    関連リンク

    各サービスの割引内容と申請先は個別ページに、ChatGPT・Claudeの申請に使うGoodstack認証は登録ガイドにまとめています。