コンテンツへスキップ
    トップに戻る

    Okta導入ガイド

    Okta for Good(非営利団体向けプログラム)では、ID管理サービス Okta を50ライセンスまで無料で使えます。概要から機能、申請手順までを解説します。

    最終更新: 2026年7月18日

    Oktaとは

    「サービスごとにパスワードが増えて、付箋や使い回しが発生する」——非営利団体でも起きがちなこの問題に、覚えるログインを1つにするという形で答えるのが、Okta(オクタ)です。職員は Okta に1回ログインするだけで、団体で使う各クラウドサービスに入れるようになります。

    Okta は、職員のIDとログインを一元管理する「ID管理(IDaaS)」の専門サービスで、Gartner のアクセス管理部門で長年リーダーに位置づけられる、この分野の代表的な企業です。

    そして Okta for Good(非営利団体向けプログラム)では、この Okta のフル機能(Workforce Identity Suite)を50ライセンスまで無料で利用できます。通常は1人あたり月額$6〜$17かかるサービス(公式料金ページのStarter〜Essentialsスイート、2026年7月時点)なので、職員50人以下の団体であれば年間数十万円相当の寄贈です。50人を超える分にも、追加ライセンス50%OFFの優待が公式ページに明記されています。

    主な機能

    Okta for Good の寄贈プランは機能制限版ではなく、以下の製品が含まれます(各製品には利用数量などの上限があります)。

    シングルサインオン(SSO)

    各サービス側でSSO連携設定(対応プランであることが前提)を済ませておけば、Okta に1回ログインするだけで、Google Workspace・Microsoft 365・Slack・Zoom など連携済みのサービスに追加のパスワード入力なしでアクセスできるようになります。連携できるアプリのカタログ(OIN、Okta Integration Network。あらかじめ用意された連携先の設定テンプレート一覧)は8,000以上と業界最大級です(2026年7月時点の公式ページ表記)。

    多要素認証(Adaptive MFA)

    パスワードに加えてスマホアプリなどでの本人確認を追加できます。いつもと違う場所・端末からのログインだけ追加確認を求める、といった柔軟な設定も可能です。

    ユーザー管理の一元化(Universal Directory)

    職員のアカウント情報(氏名・メールアドレス・所属部署など)を1か所にまとめて管理し、各サービスに反映できる仕組みです。すでに Google Workspace や Microsoft 365 で職員名簿を管理している場合は、その名簿を自動的に取り込んで同じ状態に保つ「ディレクトリ同期」も設定できます(同期先を増やすほど、名簿の変更が反映される範囲も広がる点は把握しておく)。

    入退職の自動化(Lifecycle Management)

    職員の入職時に必要なサービスのアカウントを自動作成し、退職時に一括で無効化できます。「退職者のアカウントの消し忘れ」という非営利団体でも起きがちなリスクを仕組みで防げます。

    そのほかの上位機能

    「誰がどのサービスにアクセスできるか」を定期的に見直して権限を整理する Identity Governance(アクセス権の棚卸し支援機能)、プログラミングなしで承認フローなどの処理を自動化できる Workflows(ノーコードの業務自動化機能)なども寄贈プランに含まれます。小規模団体では使わない機能もありますが、非営利プログラムの範囲内であれば追加費用なしで使えます(Privileged Access など製品によっては「1 resource unit」のように数量上限が設けられているものもあり、上限を超える利用には別途費用がかかる可能性があります)。

    コラム: MicrosoftやGoogleがあるのに、なぜOktaなのか

    「Microsoft 365 や Google Workspace を使っているなら、SSOもそれで足りるのでは?」——もっともな疑問です。答えの鍵は「無料版の壁」にあります。

    無料版の壁 — 標準SSOの「本体」は課金階段の上

    Microsoft の Entra ID(旧Azure AD。Microsoft 365のID管理基盤)にも Google Workspace にもSSO機能はあります。しかし「SSOを実用にする機能」——状況に応じてログインを制限する条件付きアクセス、グループ単位のアプリ割り当て、SCIM(アカウントを自動で作成・削除する規格)による自動プロビジョニング(アカウント発行の自動化)——は、Entra ID では有料の上位ライセンス「P1」が必要です。Google Workspace も自動プロビジョニングは Starter プランで3アプリまでという制限があります。無償版でも基本的なSSOの設定自体は可能な場合がありますが、条件付きアクセスや自動プロビジョニングといった運用上の仕組みが揃いにくく、「覚えるパスワードを1つにする」を組織全体で無理なく回せる状態には近づけにくいのが実情です。

    非営利では逆転現象が起きる

    Microsoft は2025年7月に非営利向け Business Premium 無償グラントを廃止し、無償枠は Entra ID P1 を含まない Business Basic のみになりました。一方 Okta の寄贈はフル機能を50人分無料。「無償のMS環境よりも、Okta for Good のほうが機能もコストも上」という逆転が、50人以下の団体では起こり得ます。

    中立性とカタログ規模

    Okta は特定のクラウドに属さない中立の ID 基盤です。Google・Microsoft・AWS・Slack が混在する環境や、外部の関係者・ボランティアのアカウント管理では、この中立性が効いてきます。

    どう選べばいい?

    すでに Microsoft 365 Business Premium(非営利75%割引)を契約していて Entra ID P1 が手元にあるなら、まずそれでSSOを組むのが自然です。無償の Business Basic だけ、あるいは Google と Microsoft が混在している団体なら、Okta for Good を先に検討する価値があります。

    導入の流れ

    対象となる団体

    • 特定非営利活動法人(NPO法人)
    • 公益社団法人・公益財団法人
    • 一般社団法人・一般財団法人(非営利型)
    • 社会福祉法人

    対象外

    • 学校・教育機関
    • 病院・医療機関
    • 政府・行政機関

    最終的な適格性は Goodstack の審査によって判断されます。

    01

    Goodstackで団体認証を受ける

    Okta for Good の適格性確認は Goodstack が担当しています。まだの場合は、先に Goodstack で団体登録・認証を済ませます。

    Goodstack の登録手順はGoodstack登録ガイドにまとめています。一度認証を受ければ、Okta 以外の多くのサービスの申請にも使い回せます。
    02

    Okta for Good のページから申請する

    Okta の非営利団体向けページから申請に進み、Goodstack の認証情報で団体の適格性を確認します。

    03

    承認後、テナントをセットアップする

    承認されると Workforce Identity(職員向けSSOを担うOktaの本体製品)の50ライセンスが無料で使えます。ここからの「テナント(Okta上に用意される自団体専用の管理領域)セットアップ」と「Google Workspace や Microsoft 365、Slack などとのSSO連携設定」は、一般の申請作業とは別の、システム管理の実務です。団体にIT担当者がいない場合は、導入支援業者に依頼するか、Okta for Good の導入サポート窓口に相談するのが安全です。

    設定には各サービスの管理者権限が必要です。連携設定を誤ると既存サービスのログインに影響することがあるため、まず1つのサービスで試してから他に広げるのがおすすめです。50ライセンスを超える分や Auth0(アプリ開発者向け)は50%割引で追加できます。

    このガイドは2026年7月時点のOkta公式サイト・Microsoft公式情報にもとづいています。運営チームでの実導入はこれからのため、所要日数などの実測値はまだ載せられていません(導入したら追記します)。プログラムの内容は変更されることがあるため、申請前に公式ページで最新の条件をご確認ください。

    準備ができたら

    Goodstack の団体認証を済ませたら、Okta for Good の公式ページから申請を開始しましょう。

    Okta for Good のページを開く

    Goodstack の登録がまだの方はGoodstack登録ガイドからどうぞ。